【台湾プレミアリーグインタビューvol.6】
2018年アジア大会、U-23日本代表vsU-23 UAEの準決勝(1-0で日本が勝利)など様々な試合で審判を担当する、FIFA国際審判のユーミン・スン氏に伺った、台湾サッカーの印象と今後の発展についての現地インタビュー記事。
FIFA国際主審 YU Ming-Hsun ユーミン・スン
■時には”挑戦”することが必要。
–国内リーグの現状をどのように感じていますか?
リーグはいくつかの問題を抱えています。まずチーム数の問題ですが、台湾の国内リーグは現在8チームしか参戦していません。競争力を高めるためにも、もっと多くのチームがリーグに加入することが必要だと感じています。
そうすればより多くのチームで異なるプレースタイルが生まれるようになるはずです。リーグ戦ではより高い質でプレーし、よりたくさんのチームと競争することに挑戦していくことが必要です。
今シーズンリーグ優勝チーム北市大同
もう1つの問題は、他国のチームとプレーする機会があまり作れていないことです。台湾のチームは将来的に国外に出てプレーすることを考えていかなければなりません。なかでも”航源FC””北市大同”などのチームは今後3年の内に、国外のチームと対戦する機会を増やしていくでしょう。多少難しい選択だったとしても、時には”挑戦”することが必要になります。
そうすればJリーグのような高品質のプレーが台湾に訪れるのではないでしょうか。Jリーグには1つのチームだけでなく、とてもレベルの高いチームが何チームもありますね。やはりリーグの競争力をより高めていくためには、より質の高いレベルにチャレンジすることが重要です。
■判定の質を向上。
–台湾リーグでのレフェリングについてお聞かせください。
今後私たちレフェリーは、難しいプレー判定の場面を改善していくよう努めています。
私たち審判にとって良いことは、レフェリングをビデオの映像を元に改善することができるようになったことです。
なぜなら去年は、リーグ戦にビデオそのものがなかったのです。まだ1~2台と台数は多くはないですが、ビデオの導入で我々審判も判定の質を向上できるでしょう。
ただやはり、台湾ではカメラが少ないから際どいプレーの部分で時々見えないことがあります。その点日本はとてもカメラシステムが整っていますね。Jリーグは様々なアングルのカメラがあるからより多くのプレーを確認できるし高性能ですね。映像もとてもクリアです。
–今後リーグがプロ化するとさらに環境がよくなりますね。
希望としては来年からでもプロ化してほしいと思っています。ただいくつかの問題と、パフォーマンスの面から見てもまだ難しいというのが現状ですね。やはりより多くの競争と、より高いクオリティを目指して挑戦し続けていくことが重要です。
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