【台湾プレミアリーグインタビューvol.1】
日本でのプレー経験に加えてシンガポール、タイでのプレー経験もある小森由貴選手に伺った、台湾サッカーの印象と今後の発展についての現地インタビュー記事。
MF小森由貴 1987年3月27日生まれ
台湾プレミアリーグ”臺體光磊”所属。
■チーム個々の”組織力”が足りない。–日本、シンガポール、タイとアジア諸国でのプレー経験のある小森選手からみて台湾サッカーの印象はどういったものでしょうか?
選手ひとりひとりの個人能力はある程度あると思っています。ただ、それがチームで組織になると噛み合わないところがありますね。
組織的なプレーよりは個人能力でプレーする選手が多く、足の速さ・フィジカル頼りのプレーが多いように思います。
常に感じているのは、台湾ではまだチーム個々の”組織力”が足りていないことですね。
当然個人の能力に頼ってプレーするだけでは組織で固められた時に打開できなくなってくるので、そのあたりのプレーに対する考え方は今後もリーグ全体の課題になってくると思います。
■台湾国民のサッカー認知度がまだ低い。–2017年にプレミアリーグが始まって、2022年までにプロ化を目指している台湾サッカー界ですが、選手としてはどのような感触を得ていますか?
プロ化については毎年のように話が出ますが、なかなかプロリーグ設立に至っていないのが現状ですね。
台湾国民は、このサッカーリーグが国内で行われていること自体を知らない人が多いんです。
認知度の面から言ってもこのまま大きな改革がないままだとプロ化はかなり厳しいのではないかなと思っています。代表チームもFIFAランキング100位以内を目標に掲げていますので、そのためにもやはりリーグの完全プロ化や環境整備が必要だと感じています。
■育成年代からの底上げに協力したい。–最後に、小森選手個人の目標をお聞かせください。
今までの自分の経験や、持っているものを選手に伝えたいという思いはもちろんあります。
自分は台湾で子供達のスクールコーチもしているので、そういった育成年代においても台湾サッカーのいいところを残しつつ、日本サッカーのいいところでもある”組織”の部分を加えて台湾オリジナルのチームが出来るといいですね。
そして将来的にはそのチームで子供達が育った時に、台湾サッカー全体の底上げになっていればと思っています。
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